NPO法人の会員区分で迷ったら…利用会員は定款に必要? 地域でサッカーを教えているクラブをNPO法人にする前に知ってほしい「会員」の話

query_builder 2025/12/23
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NPO法人の会員区分で迷ったら

地域で小中学校生のサッカー教室を続けてきたグループが、「そろそろNPO法人にしようか」と考え始めるとき、私は行政書士として、よく同じ相談を受けます。


「今いる利用者さんも会員なので、定款には正会員・賛助会員のほかに、利用会員も入れたほうがいいですよね?」


この質問、実はとても多いです。
そして多くの場合、ここにはNPO法人の『会員』についての誤解があります。


今回は、地域でこどもにサッカーを教えているサッカークラブを例にしながら、NPO法人の会員について、NPO支援をしている行政書士の立場からできるだけ分かりやすくお話しします。

そもそも「会員」という言葉がややこしい


ダンスサークルやサッカー教室などのクラブ、地域で活動をしているボランティアグループでは、
• 定期的に活動に参加している人
• 月謝を払って通っている人
こうした人たちを、自然に「会員」と呼んできたと思います。


任意団体では、
会員=参加者・利用者
という意味で使っても、まったく問題ありません。


ところが、NPO法人になると、この「会員」という言葉の意味がガラッと変わります。

NPO法人の会員は「運営側の人」

NPO法人の会員は、法律上、法人をつくっている人という位置づけになります。

行政書士として法人化を支援するとき、私はこう説明しています。

NPO法人の会員とは、

  • 総会に出る人
  • 団体の大事なことを決める人
  • 理事を選ぶ人
  • 団体の方向性に責任を持つ人

積極的に運営に参画している人、簡単に言うと、「運営側のメンバー」です。

会社で言えば株主、
マンションで言えば管理組合の組合員、
そんなイメージに近いです。

利用しているこどもたちは、その役割?

ここで、少し考えてみてください。

サッカークラブの教室に通っているこどもたちや保護者に、

  • 毎年度の団体の決算を承認するかどうか
  • 団体を解散するかどうか
  • 定款を変えるかどうか
  • 理事を誰にするか

こうしたことを決めてもらう場面を、想像しているでしょうか?

多くの方が、「いや、それは想定していない」と答えます。

それなら、そのこどもたちや保護者は、NPO法人の会員(正会員)ではないのです。

利用会員は「サービスを受ける立場」

サッカークラブの教室に通っているこどもたちや保護者は、

  • 指導を受ける
  • プログラムに参加する
  • 安全に配慮した運営を期待する

という、利用者の立場にあります。

これはとても大切な存在ですが、運営の責任を負う立場ではありません

NPO法人では、

  • 会員(運営側)
  • 利用者(サービスを受ける側)

この2つを、はっきり分けて考えます。

「利用会員を定款に入れたい」と思う理由

では、なぜ「利用会員も定款に入れたほうがいい」と感じてしまうのでしょうか。

理由はシンプルだと思います。

今まで『会員』と呼んできたから

任意団体の感覚のまま、NPO法人の制度を考えようとすると、言葉のズレが起きます。

このズレを整理しないまま定款を作ると、あとで運営がとても大変になります。

正会員と賛助会員だけで足りることが多い

NPO法人の定款では、多くの場合、

  • 正会員:団体の運営を担う人
  • 賛助会員:活動を応援する人

この2種類で十分だと思います。

ここで大事なのは、正会員の人数を増やすことではありません

  • 責任を持って、法人の運営について判断できる人か
  • 継続的に関わってもらえる人か
NPO法人は、法律上、10人以上の正会員が必要ですが、
これを基準に、正会員になってもらうことが大切です。

利用者は、別のルールで守ればいい

「じゃあ、利用している人たちはどう扱うの?」

という質問も、よく受けます。

答えはシンプルで、

  • 利用規約
  • 参加申込書
  • 月謝や参加費のルール

を利用規約や会員規程などの内規で定め、、利用者として整理すれば十分だと思います。

利用している人たちが、運営にも関わりたいと申し込みがあれば、正会員としても迎え入れましょう。

NPO法人の会員(正会員)に、未成年者がなることは法律上可能です。
総会での議決権行使など、法律行為を伴う場合は、民法の規定により法定代理人(親権者)の同意が必須となります。

しかし、無理にNPO法人の会員にしなくても、活動は問題なく続けられると思います。

呼び方も、「メンバー」と変えたり、「活動会員」「利用会員」など、明確に区別できるような呼び名にし、使うときも「会員」と略さないように注意するのがいいと思います。

NPO法人化は「活動を守るための整理」

NPO法人になるというのは、活動を堅苦しくすることではありません。

  • 誰が決めるのか
  • 誰が責任を持つのか
  • 利用者とはどういう関係か

これらををはっきりさせて、活動を長く続けるための土台をつくることです。

最後に:会員を整理することは、仲間を減らすことではない

会員を整理すると聞くと、「仲間を切り分けるようで不安」と感じる方もいます。

しかし、実際は逆だと思います。

  • 運営に責任を持つ人
  • 活動を利用する人
  • 応援してくれる人

それぞれの立場をはっきりさせることで、無理のない、続けやすい組織になります。

NPO法人の会員とは何か。それを理解することが、大切な活動を守る第一歩です。

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